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■■2007年1月27日発行■■


何がなでも9条を変えるための
「改憲手続き法案」は廃案しかねない


<許すな!憲法改悪・市民連絡会>


安倍首相などがいま声高に叫ぶ「改憲」のねらいの核心は、戦力不保持と交戦権の否認をうたった憲法9条2項の否定にあります。自民・公明両党は06年5月、「改憲手続き法」を国会に提出、民主党も対案を出して、現在、衆院憲法調査特別委員会では「はじめに改憲ありき」で「修正案」作りを急ぎ、5月3日までには成立させるなどと言っています


もともと「9条改憲のための手続き法案」はいらないのですが、以下、両案の修正案それ自体の問題点を幾つか指摘しておきます。

@投票権者の年齢では20歳を主張していた与党が18歳以上を主張する民主党案に妥協しました。しかし18歳は無論のこと、義務教育終了年齢に該当する15歳以上の若者にしても、憲法改定の是非を問う国民投票の有権者として十分に判断力を持っています。

A憲法96条は「(憲法改正の)承認には国民投票において、その過半数の賛成を必要とする」と定めています。憲法は国の最高法規ですから「有権者総数の過半数」というのが最もふさわしい基準です。ところが与党は最も承認数の少ない「有効投票数の過半数」を主張し、民主党の言ってきた「投票総数の過半数の承認」とも対立してきました。修正案では投票用紙に書かれた「賛成・反対」に○をつけるとして、事実上、「有効投票数」の過半数とし、なぜか民主党もこれを呑むようです。

B「投票総数」、あるいは「有効投票数」の過半数で承認とすれば、低投票率の場合、賛成が有権者の1〜2割でも改憲が成立する可能性があります。最低投票成立規定が必要です。

C法案成立後の国会で設置されるとしている常設の「憲法審査会」では、多数派による解釈改憲の世論作りの常態化がすすめられる可能性があります。この議論の中で、「言論の自由の問題だ」などというすり替えによって、政府と国会議員の憲法遵守義務が軽視され、最近問題になった麻生外相の「核保有議論の自由化」などに道が開かれかねません。

D改憲案の発議方法は、評判の悪かった「環境権」と「9条」を「一括」投票にするような方式はとらず、「内容において関連する事項ごと」に発議するという方式に変えられています。この中では、例えば憲法9条関連で「専守防衛」と「海外派兵」という異質の問題も「一括」にすることは当然視されています。これは「一括方式」同様のペテンです。

EテレビやラジオのスポットCMなどの規制も投票日前1〜2週間の制限という議論はありますが、期間全体を通じて制限すべきことについては、ほとんど議論がされていません。CMは放送時間の量や時間帯、制作資金など資金量で効果に決定的な差が出ることへの対応がされていません。「広報」も「公費」での広告ができるのは政党のみで、憲法改正国民投票の真の主体である市民や在野の団体は理由にならないような口実で除外されています。

F「国民投票は改憲発議から60日以後180日以内に行う」となっていまが、たとえ180日でも、憲法の核心である9条問題を全国民的に議論するには短すぎます。“国民には考えさせないで一気に投票に持ち込む”というねらいが透けて見えます。有権者が冷静に、しっかり議論し、考えるための熟慮期間として少なくとも1〜2年は必要です。まして、今度の国民投票は日本では初めてのことで、しかも9条という憲法の大問題を問うことになる可能性が濃厚ですから、有権者の熟慮期間は十分にとらなくてはなりません。 このほかにも問題点は多々あります。「国民投票法は国民の権利を保障するものだからいいんじゃないの?」と考える人がいます。その意味で「国民投票法案」という呼称は本質を誤らせかねません。「改憲手続き法案」は、米国が要求する「グローバルな規模で集団的自衛権の行使による日米共同作戦を可能にせよ」との課題にそって、第9条などの改悪のために作られる悪法です。
高田 健

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