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■■2005年11月20日発行■■


教育基本法「改正」問題、06年の情勢
山場は「深いクレバスを潜めた稜線」のように続く


9月総選挙の当選議員数での、小泉自民党が絶対多数を取った大勝。強い者の言うことを聞け! というような、意見の違う者への粛清と、それに追従するイエスマン集団。その「多数者」たちは、競争と効率による強者のための社会づくりに突っ走っている。
そうした政治の動向の中で、教育基本法(教基法)の「改正」を巡る動きは見えにくく、止まっているようにも見え、それにもかかわらず小泉政権のタカ派傾向を見れば、多数を笠に着た強行も除外できない。04、05年と続いた山場を乗りきったとはいえ、山場の年は06年へと深いクレバスを潜めた稜線のように続く、ということになりそうだ。


◇まず憲法が危ない
 国会は、改憲勢力が衆議院の3分の2を超える勢力となった。与党内で公明党がNOと言っても、民主党にそれ以上の改憲派がいる。改憲の発議はいつでもできるのだ。自民党は「新憲法草案」を公表した。国家優先・軍隊大好きで市民社会など念頭になさそうな「国家による支配」の色の濃いもの。
 大きな懸念は、教基法の「改正」など放り出して改憲へと動きが加速されること。憲法の理念と精神を踏まえた教基法は、改悪されずとも、改憲によっていわば「死に体」にされる恐れがある。しかも、教基法に反するような教育政策が政治主導の教育行政の手でまかり通っている現状を見れば、「死に法」とされかねない。教基法無視を憲法が保障するような状況(それへの動き)は、教基法を守り現実に活かそうという取り組みに困難を強いるだろう。
 改憲の動きそのもの以前に、国民投票法案がある。06年1月からの通常国会に提案され、最大のテーマとなることも考えられる。そうなれば、教育基本法問題はかすむかもしれない。しかし、動きが見えにくくなるに過ぎないともいえ、気は抜けない。


◇与党の検討委は“座長不在”状態
 毎週開催と精力的な協議をしていた与党の検討委は、止まったままの状態が続いている。検討委の運営を「一人で背負っている」ともいわれる座長だった保利耕輔氏が「郵政造反議員」となり、無所属となったからだ。検討委の中で、個人の尊厳・人権の“行き過ぎ”非難などで公明党と激しくやりあったとされる中曽根弘文参院議員も、郵政造反で謹慎中(役職停止1年)。座長が不在の状態なのだ。
 保利議員は、自民党内の良識派といわれ、じっくり時間をかける姿勢で公明党の発言も保障していたとみられるだけに、抜けた影響も心配される。座長不在の間に強硬派が何をするか、予想できない。ただ、検討委での協議という道筋が切れているわけで、「通常国会での提案は無理ではないか」という見方もある。情勢は流動的でかつ分からない、というのが現状。


◇「時間をかけて速やかに」と小坂文科相
 新しい歴史教科書をつくる会が留任を求めたという中山成彬文科相から、小坂憲次文科相に交代。新文科相は、タカ派のイメージはないらしいが改憲派のようで、公明党とは「悪い関係ではない」という。教育に関する路線・考え方は、前文科相とは多少違うらしい。
 「来年の通常国会とかではなくて、時間をかけながらも努力をして速やかに結論を出すことが必要」(05・11・5、福島民報)と語っている。ただし、副大臣と政務官には「つくる会」に近そうな議員が配されていて、気にかかる。
長谷川 孝

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