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■■2005年7月3日発行■■


国家が第1・よく戦った日本…
「あぶない」教科書は憲法・教育法改悪後の日本を教える


 教育基本法「改正」をめぐる情勢
〜「改正」要綱案の骨子が出てくるか!?〜

 通常国会が55日間も会期延長された。延長国会に教育基本法(教基法)の「改正」案は出されるか。秋の臨時国会はどうか。このままいけば、今年の上程はない可能性の方が大きいかもしれない。しかし、国会の文教委員会はヒマをかこっているそうだし、閑居して不善を為しかねない人たちが少なくない相手でもあり、郵政問題の動きで情勢は変わるだろうし、心配はもちろんなくなっていない。だが、06年の通常国会も視野に入れた取り組みが必要になりつつあるのは確かだ。
 「改正」案は、与党内協議の「秘密」の中にある。文部科学省が案の案(骨子)を与党の検討委に示しながら公表しないからだ。この秘密主義は極めて大きな問題だがもっと問題なのは、行政機関である文科省が1政党グループの検討会のみに法案の案を提示して便宜を図っていることだ。与党とはいえ1つの党派グループに過ぎないのに、そこにのみこのような便宜は許されるのか。いつから、この党派グループの下請け業者になったのか。でき上がった案の与党への説明(根回し)ではないのだ。文科省は、他の党派・グループにも公平・対等に対応し、案の案も公表して、「改正」論議のプロセスを透明にすべきである。
 与党内協議では、文科省による「改正仮要綱案(骨子)」の上部機関(与党協議会)への提出が了承されたという。その案(骨子)は7月上旬にも発表されるかもしれない。「改正」の要綱案(骨子)が出てくれば、法案の国会提出に向けての状況が一変する。来年の通常国会を視野に入れるとは、こういうことだ。03、04そして05年も何とか乗り切って、いよいよ《本番》を迎えることになるかもしれない! という覚悟も必要になろう。
 この案は、愛国心について「愛する」と「大切にする」の両論併記らしい。公明党が「大切はなく、妥協はたやすくできないのだろう。また、公明党は与党の検討委に、愛国心とも関連して「子どもの権利条約第29条」という論点を新たに出している。第28条「教育への権利」を受けて、人権および基本的自由の尊重などとともに「子どもの親、子ども自身の文化的同一性、言語および価値の尊重、子どもが居住している国および子どもの出身国の国民的価値の尊重」など教育の目標を定めた条文で、公明党はこの趣旨を「改正」案に盛り込むことを求めたのだ。
 批准した条約は、憲法に次ぐ位置にある国内法でもあるから、当然の提起といえる。ところで、この提起は与党協議の中で、公明党が土俵際に追い詰められて出したと見るか、「改正」は新しい理念などを加えるという立場(いわば「加憲」の教基法版)での積極的なものか。少なくとも同党は、現行法の根本は維持する立場で「改正」論議をしてきたので、現行法を「補強」する提案として、注目する必要はありそうだ。


「つくる会」教科書の主張を受け入れない社会を!


今、中学校教科書の採択問題に、各地で懸命に取り組んでいる。問題の「あぶない」教科書、「新しい歴史教科書をつくる会」関与の扶桑社版「歴史」「公民」は、まさに特定の政治党派的な主張を記述するために、都合のよい事実や論理を「ツマミ食い」し、それを「ツジツマ合わせ」して、情緒的で単純な物語として綴った“教科書に闖入したマニュフェスト”である。その主張こそ、憲法・教基法改悪、教育への強権的攻撃と権力支配、監視・統制社会化の動きを進めるものであることが、明白に現れている。
「つくる会」教科書の採択を阻止すればいいわけではなく、その主張そのものを「採択しない」社会づくりが必要なのだ。
長谷川 孝

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