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■■2004年12月5日発行■■


教育基本法「改正」案提出に向け強まる圧力

 教育基本法「改正」をめぐる動きは、緊迫の度を高めています。03年に「来年が最大の山場になる」と取り組みを進め、なんとか山場にさせないでこの1年を過ごしました。しかし、それによって一方で「改正」推進派にはストレスがたまり、03年のとき以上に「来年(05年)が山場」の厳しい状況にあります。国会周辺で聞いた情報をもとに、教育基本法「改正」問題をめぐる現状をまとめてみます。

◆「個人の尊厳がダメなんだ」という自民党の姿勢

 与党協議の中で自民党が強く主張しているのは、次の4点のようです。その第1は、もう「改正」を待てないという態度。教育改革国民会議の「17の提言」で実行されていないのは教育基本法「改正」だけであり、改正を求めた中央教育審議会の答申からも1年が経とうとしている、というのです。「教育基本法改正は党のアイデンティティーである」と強硬な自民党が、与党協議を押し切ってでも「改正」案を出させる、との見方になります。
第2は、前文や教育の目的にかかわって、「個人の尊厳がダメなんだ!」と社会の基本を変えようとする姿勢。個人の尊重や権利の行き過ぎが日本をダメにした、という発想です。「個人の尊厳」は憲法では第24条に出てくる言葉ですから、自民党の意図が分かります。
第3は、教育基本法10条(教育行政)の問題です。「現行法は日教組に利用されてきたから、どうしても変えたい」と主張しているようです。もちろん、ねらいは国家・文部行政が教育権限を握り、国民や教職員には口出しさせない「教育への支配」の確立にあります。
 そして4つ目は、「宗教的情操の涵養」への強いこだわりです。宗教的情操はもちろんのこと、個人尊厳や第10条での主張も、「愛国心」と大きくつながります。

◆教基法を「変える」流れは止められない…!?

 与党協議の中で公明党には、自民党の国家(中心)主義的な体質と主張に強い警戒感があるようです。与党協議がまとまらない根本は、このへんにあるとも見られます。でも、すでに「教育基本法を変える」という流れは止められない状況に来ており、変えるならせめて「良い方向」にしたい、という認識とみら   られます。ギリギリの段階にあるということでしょう。この認識は、民主党も同じようです。05年1月からの通常国会に教育基本法「改正」案が出されるかもしれない動きに対応するために、党内に教育基本問題調査会(鳩山由紀夫会長)を設け、議論を始めています。「生かすことも含めて見直す」とのことですが、「教育・人づくりに関する基本法の創造」を目指す民主党がどれだけ改悪の歯止めになるか、心許ないところです。「改正」案が出た場合、充分な慎重審議を求める姿勢です。
 ある議員は、国家観・民族観・人間観・生命観など「観」、つまり国や愛などについての概念が問われている、と語っていました。憲法・教基法の理念・精神、子どもの権利条約など国際人権法を踏まえた「観」をつくり伝える必要にも迫られているのです。
 しかし教基法の改悪を許せば、国家の求める「観」づくりが法に基づいて行われます。「改正」案を絶対出させないための工夫ある取り組みが必要です。

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