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■■2004年12月5日発行■■


東京都教育委員会による扶桑社歴史教科書の採択に抗議します

2004年9月7日
教育基本法「改正」反対市民連絡会

 東京都教育委員会は、8月26日、来春開校する都立中高一貫校で使う中学用歴史教科書として、「新しい歴史教科書をつくる会」が主導して編集された扶桑社版の採択を決めるとともに、「ジェンダー・フリー」を使用してはならず、ジェンダーフリーに基づく男女混合名簿を「作成してはならない」ことを決めた。こうした決定は、多くの反対の声を無視し、憲法・教育基本法が目指す学校教育のあり方に全く反するものであり、強く抗議するとともに決定の撤回を要求する。

教育基本法は、「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成」を学校教育の根底にすえている。これは、アジア諸国と我が国の多くの人々に惨禍を強いた戦争への反省、特に教育が戦争推進機関として国民を戦争体制に総動員する役割を果たしたことへの深い反省から定められたものである。国家の統治主義の道具として、時の国家指導者の考えを注入し、国家に無思考で服従する忠順な国民を育てた、戦前の国家主義教育への反省である。

 扶桑社版中学歴史教科書は、こうした歴史への反省と歴史から学ぶことを拒否し、自国中心、国家中心で、アジア諸国民に与えた惨禍を見据えようとしないもので、それゆえに平和と民主主義と人権尊重の社会を願う多くの人が、学校で子どもたちが学習に用いる主たる教材としてふさわしくないと考え、それが採択されることに反対してきたのである。そのような扶桑社版教科書の採択を強行したことは、東京都教育委員会が、教育基本法を無視し踏みにじって強行している「日の丸・君が代」の強制と同根であり、憲法遵守義務、法令遵守義務に反した、自治体(地方公共団体)・地方公務員として違法あるいは不法なものであると考える。これらはいずれも、教育基本法「改正」(改悪)の先取り実施を意味するものでもあり、行政に許される範囲を明らかに逸脱している。東京都教育委員会は、教育基本法を遵守して行政を執行するよう要求する。

 教育委員会は、首長の政治的、心情的な恣意や誤謬などにより教育が不当な支配に服さないようにチェックし、教育を憲法・教育基本法に則した個人の尊厳・平和・民主主義にふさわしいものにするために設けられている。憲法を無視する発言さえしている石原都知事の教育への介入の排除も含め、教育委員会が正常な機能を果たすことを、強く求めたい。


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