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■■2006年4月号外■■

 4月28日についに、多くの改悪を含んだ教育基本法の「改正」案が、閣議決定され、上程されました。阻止のために、あらゆる知恵と力をふりしぼって、たたかわねばなりません。教育だけでなく世の中の全体をまちがいなく悪くする【世壊し】の法案です。
 教育基本法「改正」反対市民連絡会では、閣議決定と上程が予想された前日の27日に、共同代表名で緊急の抗議アピールを出し、マスコミや国会議員などに送りました。


教育基本法「改正」案上程の動きに強く抗議する(アピール)

2006年 4月 27日
教育基本法「改正」反対 市民連絡会
共同代表  東本  久子
       長谷川  孝

  政府・与党は、教育基本法の「改正」案を今通常国会の上程し成立させようとしている。
 しかし、

(1)  憲法の一部、憲法と一体、準憲法的な根本法とされる教育基本法の「改正」にふさわしい国民(ピープル)的な議論を経ているとはいえない。

(2) 「改正」しようとする内容は、自民党の「新憲法草案」とほぼ一貫したものであるとともに、新しいこの国のかたちにふさわしいものとは言えず、戦前の「国体」主義に戻るような志向が強く、まさに改悪というべきである。

(3) 準憲法にふさわしい国会審議などの手続がなんら予定されておらず、かつ国民投票に準ずるような民意を問う手続き(例えば、このことを争点にした国会議員選挙)を政治的意図で避けている。

 ――など、許容しがたい問題点が多い。このような拙速の「改正」の動きに強く抗議するとともに、「改正」案の撤回を要求し、以下の点も含めアピールする。


[1]これまでの経過について

(1)国民(ピープル・主権者市民)に開かれない与党内部の密室協議の妥協による「改正」案は、公明党による国家主義への一定の抵抗を評価するとしても、主権者市民に開かれるべき論議の政治的私物化という批判を免れない。

(2)与党協議はまず「改正」ありきで、なぜ、いま、教育基本法を「改正」しなければならないのかは十分に話し合われておらず、納得のいく「改正」の理由も明確に示されていない。

(3)ようやく父母・保護者のあいだで教育基本法への関心・認識が広がり出したばかりで、時間をかけて審議・協議してほしいという要望も強い(日本PTA全国協議会の調査では、「さらに議論すべき」が過半数に達し、「改正する必要がない」も増えている)。そうした今、この国会での「改正」の成立を図ることは、拙速・強行と言うべきである。


[2]「改正」しようとする内容について

(1) 数十回の与党内協議を経て、公明党の主張が文言・表現上、多少は反映されたとはいえ、その骨格は自民党の主張から大きくは変わらず、同党の「新憲法草案」と一貫した内容となっており、憲法「改正」の事実上の先取りとなっている。準憲法的な根本法としての教育基本法の性格を考慮すれば、その「改正」は憲法の改正後になすべきことである。憲法に比べ改正手続きの簡単な教育基本法による「先取り改憲」は許されない。

(2) 「改正」の方向は、あたらしい国のかたちに資するものとはまったく言えず、「賞味期限の切れた」と言われる「明治維新でつくられたフレームワーク」への逆行でしかない。それは、戦争とそれをもたらした戦前の歴史への、唯一ともいえる日本自らの反省と総括でもある憲法・教育基本法の持つ意味の否定ともなる。

(3) 本来主権者である市民を国家が統治・統制・統合するという反立憲主義への志向が濃く、教育をそのための道具として支配しようとするものである。フランスの「愛国」は市民自らが建てた国への思いという意味もあるが、われら日本人は未だに「神話の中で建国された」国しか知らないのであり、その国の教育で「国を愛する」ことを教えるとは、「神話を信じ、その中の国を愛する」という信仰のお仕着せになる。


[3]「改正」の手続きについて

(1) これまでの経過においても、市民的な論議はきわめて不十分であるのに、短期間の国会審議で「改正」を強行しようとしている。このことは、準憲法的な根本法のもつ意味を軽視したものである。与党内協議にさえ3年かかったものが、なぜ、短い国会審議で「片付け」られるのか。根本法の軽視であるとともに、国会の軽視であり私物化である。

(2) 与党内協議において、教育基本法に規定すべきではないと大きな問題になった「国を愛する心」が、下位の政令で規定されすでに教育現場に課されているような「法律の下克上」の現実があるなど、教育にかかわる多くの問題が山積している。こうした現状が問われないまま、根本法を改変することが論議されてきた。国会は、こうしたことも含め、憲法に準じた審議の場を設け、開かれた議論を行うべきである。

(3) 与党内には、来年の参議院議員選挙で論争の材料になることを避け、早く「片付け」ようとの意向があると伝えられる。教育基本法のような憲法に準ずる主要な法律の改正問題を、国会議員選挙の争点から外すことは、まさに「憲政の常道」に反し論外である。準憲法的な根本法の「改正」は、国民投票に準ずるかたちで民意を問うことを必要とし、少なくとも、それを争点とした国会議員選挙を経た国会において審議すべきである。

教育基本法「改正」反対 市民連絡会
168-0082 杉並区久我山5−4−5 東本気付
Fax 03-3334-6656
Tel 090-9687-4053(長谷川)

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